目まいの原因は、高血圧・貧血・メニエール・脳血管障害・自律神経失調症・眼科疾患など様々です。朝起きたら目まいがする、グルグル回転して立っていられない、ふわーっとして気持ち悪い、など症状や程度も様々です。病院の薬を飲んでいるがよくならないといった相談も多く、漢方薬で体質を改善すると劇的によくなるケースや少しずつよくなるケースなど治り方も様々ですがめまいが良くなることが多いです。また、生活習慣では水分を過剰に摂取している方にめまいが多いです。運動量がモデルやアスリート並みでない方は1日1.5L~2L水分を摂取するのを止めた方が目まいがよくなることが多いです。
良性発作性頭位目まい(BPPV)・メニエール病
漢方では、「異病同治」という言葉があります。異なる病気でも同じ治し方をすれば治るという考え方です。例えば風邪を葛根湯で治しますが寒冷蕁麻疹も同じ葛根湯でよくなるようなことを言います。良性発作性頭位目まいもメニエールも異なる病気ですが、治し方は似たような形になります。気血水と五臓六腑を整えること自然と目まいがよくなっていきます。特に目まいのある方は、水分代謝、三半規管まわりの血流(瘀血)が悪いケースが多いので、そこから治していきます。さらに水分と血流の大本である脾胃や肺腎を強くすると目まいが起きにくい体質になっていきます。メリスロンやアデホスやメチコバールなど耳の血流をよくしたりめまいに効く薬なら飲んでいますという方でも、血流に関する漢方を併用すると目まいがよくなることが多いです。
高血圧に伴う目まい
血圧の上昇にともない、めまいがしたり気分が悪くなったりする高血圧タイプは、血流が悪くなる寝起きの朝が一番症状がひどいこともあります。血圧の上昇には、自律神経やストレスも関係します。また、高血糖や高カルシウムなど血中のゴミの多さも関係します(瘀血)。血中のゴミを取り除き血液をきれいにして、血圧が変動しないようストレスをとり自律神経を整えることで目まいが楽になります。高血圧の薬は飲んでいるから血液の漢方いるんですか?とよく聞かれますが、漢方を使ったほうが目まいがよくなるケースが多いです。
貧血・低血圧や原因不明の目まい・たちくらみ
立ち上がったり動いたときにたちくらみや目まいがするケースは貧血や低血圧などが多いです。しかし、血液検査は正常にも関わらず、貧血と同じようなたちくらみがある相談も多いです。貧血がある人も貧血でない人も女性であれば、鉄剤ではない貧血に効く漢方薬を使うとよくなるケースも多いです。ただし、胃腸虚弱からくる目まいのケースもあるので、一概に同じ漢方でよくなるわけでもないです。胃腸で吸収した栄養がちゃんと頭に届いていない体質のめまいは胃腸を強くする漢方で改善します。西洋医学の検査が正常であったり原因不明であっても、東洋医学的に気血水の乱れがあるので、そこに効く漢方を使い体質改善すれば目まいはよくなります。
自律神経からくる目まい
ストレスや自律神経の乱れからくるめまいもあります。睡眠が不安定な方も多いので、睡眠を整えていくことで自律神経を安定させて目まいが軽減できます。また、自律神経の要は漢方では「肝」です。西洋医学の検査で出るAST,ALT,γ-GTPなどの肝臓の細胞が壊れている検査数値と東洋医学の「肝」は異なります。「肝」の気の巡りを整える力、ストレスを解消する力を強くしていくことで自律神経が安定して目まいが楽になります。
内臓の弱りからくる目まい
そのほか、原因が分からないにも関わらず、めまいがあるのは、気の巡り(自律神経)・血の巡り・水の巡り(水分代謝)などが複合して良くないのだと思います。それに伴い、気の巡りに関係「肺」「肝」「脾胃」「腎」、血の巡りに関係する「肝」「心」、水の巡りに関係する「肺」「脾胃」「腎」「膀胱」など内臓の弱りがどこかにあり、それが目まいの原因になっています。病気の診断や検査数値が悪くなっている場合もありますし、診断がでなく検査数値正常でも少し働きが悪くなっている場合もあります。漢方でいう未病の状態です。病院で診断でないけど体調悪いのが未病で、病院で診断でて体調が悪いのが已病(いびょう、すでに病気)です。未病のほうが良くなりやすいです。