自然妊娠を望まれる方には、漢方で生理周期を整え、良い排卵ができるよう妊娠力をあげていきます。不妊の原因の半分は男性にあるので、夫婦ともに漢方治療する場合の方がより出産につながることが多いです。
病院の治療と並行して漢方を使うことで、人工授精・体外受精の成功率を上げていく形になります。病院治療をするつもりがない自然妊娠希望の方でも、まずは検査を受けてみることをオススメしています。卵管狭窄や無精子症など病院治療を併用したほうが出産しやすいケースが見つかったり、子宮筋腫やPCOS(多嚢胞卵胞症候群)など体質が分かったりしますので、それに応じて使用する漢方も調整していくほうが出産につながりやすいです。
年齢は若いほど予算も低くなり出産しやすいので、お悩みの方はお早めに病院検査・体質診断・漢方による体質改善をするのが良いと思います。
予算については体質にもよりますが、おおよその目安は下記のとおりです。
月6千円で3か月ぐらい飲んで妊娠される方もいれば、月3万円で数年かかってから妊娠する方もいますし、症状や体質により月4~5万円になる方もいますので、予算や期間についてははっきりとは申し上げにくいところはあります。相談後に、予算を聞いてすぐに漢方を購入せずに検討する方法もありますので、体質や予算については一度ご相談ください。初回は1時間程度かかります。
自然妊娠
基礎体温を整えながら、良い卵を排卵、着床しやすい体づくりをしながらタイミングをとっていきます。
生理痛、月経時の血の塊、月経の血の量が少ない、おりものがない、基礎体温が2相性になっていない、PMS、ストレス、冷えなど自覚症状があるところを中心に体質改善していきます。生理の状態や生理周期が安定していれば、より妊娠・出産しやすくなります。
また、男性の方はお酒などで体に熱がこもっていたり、仕事のストレスで精子が元気がないことが多いので、そこを改善していきます。
人工授精
自然妊娠の時と同じく、着床しやすい体づくりをします。
対外授精・採卵
経験的に感じることですが、漢方治療をしているとしていない方に比べてグレードの高い質の良い卵を多く採れることが多いです。良い卵を育てるには、生理周期を整え低温期に補陰を中心に養血活血などをしていくと採卵の結果が変わります。
体外受精・移植前
着床しやすいように、子宮内膜の厚みがある良い状態にしていきます。高温期が十分に続き、月経血に血の塊がなく、スムーズに月経がくるような生理周期を整えると着床しやすい子宮内膜の状態になっていきます。
妊娠初期(安胎・流産防止・つわり・風邪・便秘)
妊娠初期は高温期の状態が維持できるよう胎盤が安定した状態をキープします。養胎・保胎・安胎の治則でよい状態が続くようにします。
つわりに効く漢方があるので、つわりを抑えてしっかり食べられるようにします。
妊娠中はイキみたくないのに便秘になりがちなので、妊娠中に飲める漢方薬を用いてスッキリだせます。
PCOS(多嚢胞症候群)
両側卵巣に多数の小卵胞がみられ、少なくとも一方の卵巣で2~9㎜の小卵胞が10個以上存在するもの。未成熟な卵胞が多数できるもので、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を併発しやすいです。エコーでネックレスサインが見られます。
内分泌異常で、80%の割合でLH高値が見られ、ホルモン治療ではゲスターゲン療法やカウフマン療法などエストロゲン、プロゲステロンの補充やプレドニン、パーロデル、メトフォルミンなどが用いられることがあります。
中医学的には、補腎活血化痰理気を原則として行い、受精できる良質な卵が排卵できるようサポートします。
子宮筋腫
子宮に発生する良性新生物であり、子宮平滑筋筋腫ともいわれ、生殖年齢の女性にみられる最も頻度の高い骨盤内の腫瘍で、4~5人に1人の割合で発生する。漿膜下、筋層内、粘膜下、子宮頚部など部位によっては妊娠を妨げるので、手術や温存療法、漢方治療を用いる。予算目安1日1,000円~
子宮内膜症・子宮腺筋症
子宮内膜が子宮以外の場所で転移、増殖、浸潤する良性腫瘍。生理痛や卵管閉塞、LUF(黄体化未破裂卵胞)、免疫異常など不妊の原因を引き起こす。
子宮腺筋症は、子宮内膜が子宮の筋層の中に潜り込むことによって起こるもので着床障害の原因になります。
硬くなったところを柔らかくものや活血止血のものなどで対策します。